※ 2010参加報告 | ※ 2009参加報告
Report on 3rd International String Quartet Festival & workshop
昨年に引き続き、6月14日(月)〜20(日)の間、イタリア北部の小都市・レッジョ・エミリアでワークショップを含む国際弦楽四重奏フェスティバル http://www.premioborciani.org/index.jsp が開催されました。 イタリアを代表するチェリスト、マリオ・ブルネロ氏発案の呼びかけに対し、ACMP及びエイパの協賛で開催されているもので、フェスティバルゲストは2002年の当地ボルチアーニコンクール 優勝のクスカルテットをはじめとする多数の音楽家、ワークショップではマスタークラスで4組、アマチュアで13組のカルテット(1組は弦五)が参加し、日本からはアマチュアカルテット5組半+個人4名、合計26名が参加して、充実した1週間を過ごすことができました。
【参加グループと受講曲】
Alma Rose Quartet - Italy :Puccini 菊
Felix Quartet - Switzerland / France:Frank Bridge Fantasie、Mendelssohn Op.80
Ciliegio Quartet ? Japan :Beethoven Op.135、Haydn Op.76-1
Fujii Quartet - Japan :Beethoven Op.127、Schuman No.1
Del Gatto Quartet ? Japan:Beethoven Op.59-3
Matilde Quartet - Italy :Beethoven Op.74
Terremoto Quartet ? The Netherlands :Borodin No.2
Assiano Quartet - Germany : Verdi SQ
Hitachi Quartet ? Japan :Beethoven Op.59-1、 Haydn Op.74-3「Knight」
Kaede Quartet ? Japan *Mozart K.458「狩」、Beethoven Op.59-1
Multilingual Quartet - Switzerland / Japan :Haydn Op.20-2、 Beethoven Op.18-2
Ausonius Quintet - Germany / Japan:Onslow ?Quintet Op.38、Schubert Quintet Op.163
Emilia Quartet - Spain / Italy / Japan :Arriaga SQ No.1
1週間のスケジュールは、毎日、午前3セッション、午後2セッション、及び夜9時からのフェスティバルコンサートで、水曜午後と、土曜にクレモナ等近郊へ小旅行がありました。毎日午前の3セッションの1つは有名講師のレッスンで、それ以外にクスカルテットやブルネロ氏の特別レッスン、マスタークラスカルテットとのマイナス1、アマチュアグループ同志のミックスアンサンブルなどが随時開かれました。以下、参加者から寄せられたレポートをお楽しみ下さい。
<参加のきっかけ、目的>
前回2009年のフェスティバル実施時に、APA理事の永田氏から勧誘を受けました。前回は仕事の都合で参加できませんでしたが、今回はたまたま職場のリフレッシュ休暇(永年勤続記念の連続休暇)を取得できましたので、同じくヴァイオリンを弾く家内ともども参加しました。この4月に長年活動し、団運営にも深く関わっていた新交響楽団を退団し、自分の音楽生活をそれなりに大きく変えました。「旅」に出て次のステップへのきっかけを模索したかったという点が一番です。そもそも、クラシック音楽の本場のヨーロッパで楽器の音色がどう変わるのかを久しぶりに体験したくなったというのもあります。
<一番印象的だったできごと>
担当講師のマルティニ先生をはじめ、すばらしい講師陣からレッスンを受けられたことです。講師の先生方は、良し悪しをはっきりおっしゃいます。私自身もアーティキュレーションや、テンポキープ、音程について厳しく指導を受けました。ベートーベンの後期の弦楽四重奏曲(第16番作品135)に取り組んだのですが、こうした難度の高い曲をアマチュアが自分達だけで作り上げるのは正直言って限界があります。講師の先生方は、さすがというか、「やや滑稽なイメージ」「狂気」「礼拝の祈り・静謐」「葛藤」などわかり易い言葉で、作曲家が曲に求めている精神性を説明してくださり、自分達の音楽表現上の「引き出し」を増やす上で大いに役立ちました。また、カルテットにおける音程の作り方についても、指導がありましたが、開放弦の活用・低ポジションの多用など「なるほど!」というノウハウを沢山仕入れることができました。あと、これは自分達の力で工夫したことですが、会場や天候によって「響き」が大きく異なります。複数の会場といろいろな天候で演奏を行うにあたり、弓圧や弓の場所、弓の傾き、ストロークなどをその場でコントロールし、カルテット全体のバランスを素早く変えていくことの必要性もあらためて実感しました。
日常を忘れ、観光もせず(イタリア料理と、パルミジャーノ・レッジャーノチーズ、トスカーナワインは堪能しましたが)、ひたすらヴァイオリンという楽器の響きと、一緒に参加したカルテットのメンバーとともにベートーベンの後期弦楽四重奏曲にのめり込んだ1週間でした。

ブルネロ先生のレッスン

藤井カルテットは昨年に続き、元リンゼイカルテットVn1のピーター・クロッパー先生にご指導を頂きました。
昨年は、「アマチュアでも自分たちの自己満足でなく、聴いてくれる方々に、自分たちの表現したいこと、自分たちが楽しんでいることを伝えられないといけない」こと、そして受講曲のシューベルト「ロザムンデ」では、「ベートーヴェンは4人が一つの構成された曲想をひくのに対し、シューベルトは違う個性をもった4楽器が互いに対話しながらうたう」という、ことを教えて頂きました。

先生:なぜこの始まり方、序奏だと思いますか?
生徒:開会宣言?
先生:そう、「皆さん、はじめます」と注意を集中してもらう。ですからでだしはオルガンのように弾いて、アクセントがついてはいけない。では、次の小節でなぜsf?
生徒:怒り?
先生:これは情熱(emotion)です。そして次のAllegroでは、teneramente、sempre dolce とたくさんの指示が並んでいます。まず teneramente これは何?

先生:Teneramente は、tender で、「子にたいする母の優しさ」。では、dolce は?
生徒:スイーツ、デザート。
先生:そう、こうなると、これはなにか信じがたくて、特別なものをBeethovenは要求しています。Allegroだけであれば、誰でも小節単位でとらえますが、ここはもっと息の長いフレーズです。
では、Allegroからやってみましょう、最初の音はビブラートをかけて。
そして、「物語り」を語りなさい。「これは愛の物語です。昔あるところに、一つの家族がありました。」
<その気になって6小節演奏する>
先生:with love でもう一度。 <やりなおして同じ場所を演奏>
先生:(大声で)fantastic!, unbelievable!!? <皆、笑う>
先生は、我々ができていなくても、理解して努力の姿勢が見えると、大げさに褒めてくれます。
昨年の先生の要求は、とおる強い音を出すために「駒近く」で弾くことでしたが、今年は加えて「指板上」で発音するソフトな音が追加されました。pやppのソロの部分で要求されることが多いのですが、不思議な音色になります。先生はこれを 口に指をあてて小声でmagic と言われました。
第一楽章の最後のポイント、240小節以降は、物語としてはずっと探し求め状態、270小節で天国を見つける。(第一日終了) <第二、三、四楽章は省略>
2年続けてのご指導で、「昨年言ったことができていないじゃないか」、と言われそうでしたが、それなりに認めて頂き、今年は更に「指板上」という課題を頂きました。次回までに頂いた課題をクリアするために、まだまだ年をとる暇はありません。余談ですが、先生へのお土産に成田で日本酒を買ってと考えたのですが、トランジットがあるため買えず、フランクフルトでボルドー地方サンテミリオン(世界遺産の町)ではあるがあまり高くないワインを買ってプレゼントしたのですが、今月のストリング誌渡辺和氏のレポートで、クロッパー先生は、5月に開催されたボルドー国際弦楽四重奏コンクール(以前のエビアンコンクール)で審査委員長を勤められ、優勝者や審査員には地元の高級ワインが贈呈されたことを知り、赤面しました。

私は幸いにも昨年に続き、2度目の参加となりました。もう2度と行く機会がないと断念しておりましたが、ふとしたきっかけで、元アマオケで一緒だった仲間との参加が申込の締め切り直前に決まったのでした。受講曲はベートーベンのラズモフスキー3番とすぐ決まった物の、夫々が忙しく、2回しか練習出来ずで、不安な気持でのレッジョ入りになりました。
しかし、私達を今回5日間担当してくださった、ジョバンニネッティ先生(元イザイQrtの1Vn奏者)が、ニコニコ顔の気さくな雰囲気で、レッスン室においでになられたお陰で、私達は緊張感も飛んで、終始和やかな空気の中でのレッスンになりました。先生は曲のイメージを言葉と共に、体全体を使っての表情豊かなジェスチャーで伝えてくださいました。それに対して私以外の3人は、Qrt.のベテランでもあり、すぐに反応する事が出来、先生にとても喜んでいただきました。レッスンの時間が超過していても「構わないから次の楽章も弾いてみて」.とまで言って、本当にサービス精神と誠意のあるお人柄で、私達はすっかり先生の大ファンになってしまいました。(来年の9月には、東京でのリサイタルで来日されるので再会のお約束を致しました。)
また、レッジョに来てから毎日2時間余りの練習をしたかいもあってか、Kuss Qrt.の2Vn奏者のレッスンでは、この仲間でどのくらいの期間やっているのかと、尋ねられ、レッジョに来る為に組んだ初顔合わせで、2回のみだと答えたら、とても驚かれました。
講習会仕上げのコンサートは2回あり、夫々素敵な教会の礼拝堂で演奏が出来ました。VcのブルネロさんやKussQrt.、マスター・クラスのメンバーまで聴きに来て下さり、また聴衆の皆様からも温かな鳴り止まない拍手まで頂いてしまい、とても信じられない良い思い出となりました。

ジョバンニネッティ先生と共に

Del Gatto 教会でのコンサート
最終日、観客でいっぱいの小さな教会での街角コンサート。鳴りやまぬ拍手に客席に視線を巡らせると、地元の方に混じり日本からの先輩たち、立見席にはクスカルテットのメンバー二人、マスタークラスのメンバー、それにマリオ・ブルネロ氏も。目に涙を溜めたこの日の進行役で陽気なフランチェスカの祝福を受け、レッジョ・エミリアの7日間は終わりました。
あこがれのチェリスト、ブルネロのカルテットワークショップに行かないかとの先輩の誘いを受け、考えた末思い切って会社を一週間以上休んで参加しましたが、それは夢のような一週間でした。
毎朝6時半には起床し朝食のあと、レッスンは9時から1時間15分。コーチのエリーゼカルテットの1st Vlジョバンニネッティー先生は大変に優しく優れた指導者でレッスンそのものが感動の連続でした。「前へ前へ」音楽の流れを作ること、不協音を際立たせ後続の協和音を落着いて響かせる進行方法、ベートーヴェンではffとppで異常な状態を作ること等多くのことを学びました。午前中の自主トレーニングを経て昼食は午後1時から。地元のワインを飲みながら全ワークショップのメンバーが一堂に会します。ブルネロ氏に初めてお目にかかったのも初日の昼食です。気がついたらとなりに立っておられ思わず握手していました。酔いがさめたころ夕方の各種催し物、行き付けになったレストランでカルテットで夕食をとった後、午後9時からの連日のコンサート鑑賞が終わるともう深夜です。本部のおかれたオペラハウス前で、ライトアップされた噴水を眺めながらグラッパをあおり趣味のパイプ煙草をくゆらせてからホテルに帰るという忙しくも優雅で充実した一日でした。
現地のしっかりした運営体制に加えて、ACMPのサポート、そして日本からのAPAのサポートに支えられて素晴らしい毎日でした。皆様に感謝!!

ブルネロ氏、Kussカルテットのオリバー氏とDel Gatto
実は小生はこの講習会のこと全く知らなかったのですがかみさんと亘理さんに勧められて短期滞在していたフィレンツェから行きました。行ってよかったです。僕らの指導をしていただいたジョバンニエッティ先生のいろいろなご指摘は、まさに目からうろこ。今後の活動に生きると思います。他の先生の指摘や、マイナスワン(私はポーランドのQ)も貴重な体験です。
それから、8泊9日の滞在(昼食まで)費を含めあの受講料(注)というのはちょっと考えられません。マックス・マーラはじめ各方面の協力があってのことと思います。運営スタッフの充実と、肌理の細かいご配慮も素晴らしく深く感謝してます。街角コンサートもあんなにお客さんが来てくれてありがたいことだと思います。
希望を申し上げればクレモナと、郊外へのツアーの代わりに参加者同士の交流の会、互いに演奏し合うとかそういうのをやったらどうでしょうか? それから夜9時からのコンサートというのは夕食や翌日9時からのレッスンのことを考えるといかにも遅く、日本のように「7時から」位がいいと思います。(イタリアのコンサートがどこも9時ぐらいからというのはよく存じ上げていますが)。
あと、自分たちの反省としてもっとたっぷり練習(合わせ)をやってからレッスンを受けるべきだった、と思っています。(以上、秀悟)
亘理孝子さんに誘われて、丁度イタリアに行く予定もあったので何事も体験、と参加しました。一流の教授陣や毎晩演奏されるクァルテットの演奏会を格安の料金で音楽を学び、ひたれるという贅沢三昧の8日間でした。
私が音楽をやる上で、その中で得たものはイタリアの石造りでできた建物の響きの中でクァルテットでお互い響きを楽しむ、と言う経験が一番でした。最後の教会の演奏会にはブルネロさん、クスクァルテットのメンバー2人、ヴェネゼーラの一人にも聴いていただけて最高でした。孝子さん、志村さん楽しかったね。(以上、美世子)
(注):受講料+昼食+7晩のコンサートチケット+朝食付き四つ星ホテルダブルルームで1300euro/2人、三ツ星ホテルダブルルームは1200euro/2人

このフェスティバルに参加するにあたって私が考えていたことは次の2つ。
1、 自分の楽器が初めてのイタリアでどのように響くのか。
2、 現地の先生にカルテットの指導を受けると、日本の指導とどう違うか。
1番目の感想は「確かに良く響く」でした。また良く響く場所で演奏することも意義があるのだとも感じました。響く部屋だとお互いの音がよく聞こえなくなり練習に良くないと考えていましたが、響きを感じながらアンサンブルをすることも大事なことと感じました。
2番目の疑問は、先生の個性によるところが多大ですが、もっとスウィングしてスマイルも大事だよなどいくつか聞けたことはやはりこのフェスティバルに参加して得た意義のあることだと思います。
フェスティバルは初日のレセプションに参加して、レッジョエミリアの町を挙げて皆さんが盛り上げようとしているのがとても感じられ、うれしくもありまたレッスンの期待を感じました。進行役のジニーさんの「このフェスティバルはアマチュアの皆さんのホリデーです。思う存分楽しんでください。」との挨拶で、レッスンが厳しいものかもとの不安は一気に吹っ飛びました。
私たちのレッスンはほとんど同じ先生に見てもらい、すべて昼食前の3時限目に当てられました。おかげで毎日、予習をしてのレッスンとなり、有意義なレッスンが受けられました。毎回1時限目の9時からに当たっていたグループから、最終日は替えてほしいと相談を持ちかけられ、その意味が十分わかっていたので快く交代しました。
レッスンは各楽章ごとに時限に分けてお願いしました。まず楽章全部の演奏を聴いてもらい、始めに戻って曲想や変な癖を指摘してもらう形で進みました。レッスンの後半ではイントネーションについてのレッスンがありましたが、そんなに簡単にできるわけもなく、日本に帰ってからの大きな課題となりました。
最後の仕上げ演奏会は「街角コンサート」と称して、各グループが課題曲を町の人たちに聞いてもらうかたちで行われました。皆さん真剣に聞いてくれて演奏する立場のわれわれにはとてもありがたく感じました。プログラムの最後で地元のメンバーの「ハイドンのセレナーデ」が教会の高い天井を響き渡って心地よく聞こえました。なるほどこの曲はこういうところで演奏されるのがぴったりなんだと改めて感じました。
チェリストのブルネロ氏が声掛けで始まったと聞いていますが、日本からは永田様のご努力が大きいと感じました。お世話になりました。この場を借りて御礼申し上げます。 次回のカルテットフェスティバルは再来年になると聞いていますが、条件がそろえばまた参加したいと思っています。

ヴェネズエラQとのマイナス1の筆者、Haydn Op.74-3 4mov.
参加動機:グループ内で数年前から クレモナを含むイタリア旅行への夢を語り合っていました。そこへ昨年のレッジョ参加者のレポートを拝見し又とない充実した経験が出来ると直ぐに参加を決めました。
レッスン:モーツアルトの「狩」でレッスンを受けました。ジョヴァ二ネッティ先生に5回、ブルネロ先生とクスカルテットのヴィオリストに各1回でした。
ジョヴァニネッティ先生がオペラのシーンをジェスチャーやダンスで見せて下さると、一気に疑問が溶けてゆく体験は素晴らしかったです。少し蔭のあるところも沈み込まず生き生きと、又、曲の最後では段々ステージの袖に行きながら、引っ込む寸前ちょっと戻って来て観客に向かって手を振る仕草をしているみたいに等、 モーツアルトがそこに居るかの様な気がしました。
リズムの取り方で毎小節毎に取らないことによってダイナミックな動きが生まれ自然に乗せられるように弾く感覚になれる。これは三人の先生から表現の差があっても共通して伝えて頂いたことの様な気がします。
この曲の1楽章は特別な日だから、弾く前に皆が充分気持ちを高めて弾き始めるのが大切だけれども、如何に自然に楽しく弾けるか、イタリアという環境と人々の助けを借りて音楽できたのは本当にありがたく感謝でいっぱいです。

教会での街角コンサート「狩」第一楽章
ジェラートが美味しいとか、楽しかったとか言う昨年のレポートにひかれ、一抹の不安を抱えたまま申し込みをしました。5月、高齢の母が体調を崩し心配していた事が現実に。参加できるかどうか 微妙になってしまいました。一人欠けた場合カルテットの参加はどうなるのか・・・? フランチェスカさんに問い合わせたところ、「トリオに変更してもかまわないしセカンド抜きでの参加でもOK」とのお返事、ホッといたしました。その後母は亡くなり、これまたどうしようか迷いましたが、家族の勧めもあって参加することに。
行ってしまえば昨日までのことは吹き飛んで、盛りだくさんのプログラムに朝から晩まで音楽、音楽の夢のような一週間。ジョバネッティ先生の体全体を使った表現、(出来なくても)オペラのシーンを引いての解説に大いに納得。とても新鮮で素晴らしい体験でした。
又、約2週間(終了後ミニミニ旅行)メンバー4人が揃って一緒に過ごすという事も初めてのこと。このワークショップは音楽上の刺激だけでなく、メンバーお互いのことをより深く理解するための貴重な時間をも与えてくれたと感じております。

ジェラートが美味しいとか、楽しかったとか言う昨年のレポートにひかれ、一抹の不安を抱えたまま申し込みをしました。5月、高齢の母が体調を崩し心配していた事が現実に。参加できるかどうか 微妙になってしまいました。一人欠けた場合カルテットの参加はどうなるのか・・・? フランチェスカさんに問い合わせたところ、「トリオに変更してもかまわないしセカンド抜きでの参加でもOK」とのお返事、ホッといたしました。その後母は亡くなり、これまたどうしようか迷いましたが、家族の勧めもあって参加することに。
行ってしまえば昨日までのことは吹き飛んで、盛りだくさんのプログラムに朝から晩まで音楽、音楽の夢のような一週間。ジョバネッティ先生の体全体を使った表現、(出来なくても)オペラのシーンを引いての解説に大いに納得。とても新鮮で素晴らしい体験でした。
又、約2週間(終了後ミニミニ旅行)メンバー4人が揃って一緒に過ごすという事も初めてのこと。このワークショップは音楽上の刺激だけでなく、メンバーお互いのことをより深く理解するための貴重な時間をも与えてくれたと感じております。

Multilingual Q:博物館のなかでのコンサート
Reggio Emiliaのセミナーに、時差までもフル活用の締切日ぎりぎりに申込みをして、近所のVa友人と参加しました。ミラノ経由でレッジョ・エミリアへ移動。中世の趣が残る古い街並みは廃墟のようにひっそりと静まり返っていて、時折、鳩の羽音がかすんだレンガ壁に響きわたる。ちょっぴり不安な初日でした。
一夜あけると、ごみ回収から各種物資運搬トラックの音やら何やらで活気ある平日の朝。ほっと一息、さっそく練習場へ。一緒に四重奏を組むことになった現地Vn弾きさん&スペインVc氏は我々の先入観とは打って変わってまじめで練習熱心。繊細な練習にくたびれてしまって、明朝は遅めに始めようよ〜とさりげなく提案しても、なんのその、変更の意図なし。唯一の救いは、いつも15分以上遅れの解錠担当の現地スタッフ。曲はアリアガ弦楽四重奏曲1番、シューベルト弦楽四重奏Op125。 期間中、直接指導していただいた先生方は4人。それぞれのレッスンでは、場面に応じて、なるほどの助言をいろいろといただけて、とてもよい勉強になりました。
そんなこんなで、朝9時から練習。レッスン後、昼食をはさんで16時前後まで合奏。その後は各種ワークショップやらレクチャーやらで19時過ぎまでのプログラム。それから21時〜23時くらいの演奏会が毎日…。22時頃まで明るいとはいえ、、、ふうう。成果発表のコンサートを終えた日曜日午後、心地よい疲れとともに出かけた街はずれの蚤の市(日曜は一般の店はお休み)での、はじめてのそれらしいお買いものは、計り売りのチーズでした。帰国後、日本で売られているそれの価格があまりに高額で驚いてしまいました。
現地スタッフや地元の人々はとても親切でしたし、とにかく充実した日々をすごせました。時間さえとれるなら、参加する価値の十分ある音楽祭だと思います。なにかれとお世話して下さった方々へ;どうもありがとうございました。

見学したチーズ博物館
昨年レッジオ・エミリアでのワークショップに参加された方のお話を伺って、高齢の親のことも気になりましたが、あこがれのイタリアでしかもカルテットのワークショップということで思い切って参加いたしました。着いた日は街の街路樹の菩提樹が花吹雪となって私たちを出迎えてくれました。
翌日の午前中は”ミックス”という企画でFelix.Q.(スイス人とフランス人とイギリス人)の方々と楽章ごとに二人づつ交替してBorodin Nr.2とDvorakのアメリカを楽しみました。和やかな楽しい時でした。午後は”マイナスワン”という企画でこのワークショップにプロの卵として参加されたカルテットの中に一人加えていただき一楽章分演奏するものでした。Valliという劇場のステージでそれは実現されました。”アマデウス”の映画を思いださせてくれるような華麗な劇場でした。
その次の日からMartini先生のレッスンが5回あったのですが、とても充実していて時間のたつのを忘れるほどでした。低音から積み上げてのハ−モニーの実体験が大変印象的でした。
ゲストアーティストのKuss.Q.のColeman氏の30分のレッスンでは自分の音に10パーセント、他の人の音に90パーセント耳を傾けなさいという教えをいただきました。前日のKuss.Q.の素晴らしい演奏がここから出発しているということに驚き、ガッテンいたしました。
Brunello氏からの15分のレッスンではpのからffにむけて音を粒立てていくやり方とかスイングの仕方を教わりました。とても実りのある充実した一週間でした。この素晴らしい企画をたててくださった皆様と地元の暖かいスタッフを始めすべての関係者の方々に感謝いたします。

ライヴハウスでのKussカルテット(事務局提供)
魅力的なReggio音楽祭のお話を昨年参加された方から伺う機会があり、自分達が普段日本で行っているSQにおける音楽作りが、本場の一流の演奏家でもある講師達にどのように評価されるものなのか興味もあった為、参加を申し込みました。3人の先生からご指導頂きましたがどの先生もすばらしく、特に印象に残ったことを以下に挙げてみます。
私たちのメインの先生のMartini氏にBeethovenのRasumowsky1番3楽章をみて頂いた際、21〜22小節目で私たちは一音一音にエネルギーを込めて弾いていましたが、どうやら彼らはこのような音形では、教会の鐘が鳴っている様子をいつもイメージするらしく、もっとnaturalに、in tempoで弾く方が大事と言われました。このような感覚はそう指摘されるまでは私達には想像がつかず、毎日決まった時刻に街中に鳴り響く教会の鐘の音を聞くことができる現地で言われて、すんなりと納得できました。
Menuetto(Haydn「騎士」3楽章)では私達はどのようなtempoで演奏するとよいのか悩み、日本人には分かりにくいrhythm感覚と以前言われた事もありましたのでColeman氏(Kuss Q,Va)に質問したところ、実際にdanceのstepを踏んで教えて下さり、後日Martini先生もそれに補足してくれました。「基本的に1小節1 swing (1 step)、2小節毎に小節の頭にaccentがあり(時々別の所に付くこともある)、普通は速いが速さは自由(「騎士」ではAllegrettoが付いているのであまり速くない)、重くなく優雅にhappyに演奏する。」
Coleman氏からは次のようなお話も頂きました。「rhythmが合わない時は長い音符の人はその音をrhythmを刻みながら弾き、rhythmを刻んでいる短い音符の人は長く伸ばして合わせてみる。harmonyがおかしいと思うところがあったらそのsoundを聞くためにそこでstopして集合し、その音を伸ばしながら探ってみる。その時脳や耳は自分の音に1割、残り9割は他の人の音を聞くことに集中して、どうすればfitするか考える。もし他の人の音を完璧に聞けば、あるいは一緒に動けば、自動的に合うようになる。そのようなnetworkを広げていく作業が必要で、あたかもknitやblanketを織り上げていくようなものである。」普段からSQの練習では、きちんと合うようにするにはとても時間がかかるものと思っていましたが、Kuss Q.のような一流のプロでも1針1針編んでいくような作業を積み重ねて、今回夜のコンサートで聞いたようなすばらしい演奏に仕上げているということを伺い知ることができました。



1.参加動機
・代表者からの早期魅力的情報 ・リタイアして時間ができた ・SQ大好き
2.コーチのレッスンで印象的だったこと【例】
・偉ぶらず、アマチュアをリラックスさせ、謙虚で丁寧に指導
・課題曲作曲家の作風と、譜に書かれていない演奏常識の指導
・ある程度まで仕上げた上での正確な音程の劇的効果についての話
・演奏会場の音響に合わせた演奏方法の大切さについて
・常に音楽が動いていることの大切さについて
3.運営面
・万事よく計画され、イタリア式おおらかさの不安(失礼)は殆ど感じなかった
・Ziniさんの下、運営組織が分りやすかった

室内楽、特に弦楽四重奏のための音楽祭!昨年も参加しておりましたので、充実の内容が待っていることは承知でした。このジャンルをこの機会を足がかりにしっかり勉強したかったので、日程に少々無理があったもののなんとか強行突破で行ってきました。
ワークショップでのコーチの先生は昨年とまた違う方がついて下さったのですが、レッスンの内容はやはり実のあるものでした。プレイヤーならではの実際的な技術面の指導、合奏技術、フレージングや楽譜の内面の読みとりかた、時代背景と作曲家の精神面の影響による音楽表現、と多岐にわたる内容で、「全部おぼえて帰れるかしら・・」と思ったくらい。アマチュア相手にも手を抜くことなく、懇切丁寧に、しかし無理なく教えていただけて素晴らしいレッスンでした。
音楽祭の監督であるブルネロ氏、参加アーティストのクスカルテットのメンバーによるレッスンも同じく、無理のないわかり易い表現ながら、音楽の根本をしっかり伝えるという意思を感じるものでした。合同のレッスンという形で行われたそれらは、他のチームのレッスンも聴くことができるのですが、いろいろなチームが指導によってみるみる音楽が変わっていくのを目の当たりにするのも貴重な経験であったと思います。
少々言葉(英語が主でしたが)に苦労しましたが、音楽という共通言語を学ぶために、そこをなんとか乗り越えるべくがんばれば十分成果はあるな、というのが率直な感想です。
惜しむらくは、せっかく国際的な音楽祭であるので、他のチームとの交流をできる余裕と語学力があれば・・・。 それから。 音楽祭は充実の内容であるがゆえに、それを消化するための体力は必要です。
できれば体調は万全であるほうが、楽しめます・・・。

尚、来年はアルバンベルグの第一ヴァイオリン・ピヒラーさんを審査委員長に迎えるコンクールの年なので、弦楽四重奏ワークショップは開催できないが、午前はアマチュア弦楽合奏教室、午後はコンクールでファイナル出場グループの中から聴衆賞を決定する審査員を務める。というアマチュア愛好家向け企画を検討中の由。(2011年要領を参照下さい)